ひきこもり生存戦略

ひきこもりなど、生きづらさを抱える人であっても、生き残れる方法を模索するブログ

いじめの問題をどう克服するか


尾木ママの本。
テレビに出ている人の本は、基本的には読まないのだけど、何かのおりに、この人の書いた文章の一部を読んだことがあって、わりとまともなことを言っていたので、意外に思い、読んでみた本。
経歴を見ると、もともと、先生>評論家>テレビ出演という流れらしいので、もともと、執筆は自分のフィールドなのかもしれない。

数値主義や成果主義により、いじめはゼロでなくてはならないという考えから、いじめがあっても隠ぺいするという体質が生まれる(ので数値主義や成果主義はやめるべき)。
教員の多忙化により、生徒への細やかなケアができなくなっている。
などの、自分としてはかなり納得できる議論が最初の方に展開されるので、スムーズに本に入って行けた。

また、道徳教育などのように、規範を上から押し付けるだけでは、かえってストレスをためこみ、いじめの解決にはつながらないというのも理解できたし、「ゆとり教育」は、本来、学業以外の価値観も教育にもたらすはずだったが、「ゆとり教育による学力低下論」によって、かえって学力重視の教育を招いてしまったという意見も興味深い。
いじめの加害者への出席停止は、加害者の人数が多いときや、加害者と被害者が流動化するケースなど、うまくいかないときがあり、根本解決ではないという意見や、警察の教育現場への安易な介入は学校教育とは異質であり、もちろん介入が必要なときもあるが、十分な注意も必要である、という意見は、自分の意見とは少し違ったが、なるほど~と思った。

子どもたちの意見や目線をいじめ対策にとりいれるべきという意見は、もっともだと思ったが、あまり聞いたことがなかったので、この意見が聞けて良かった。
いじめを止めるにはどうすればいいのかについても、いろいろと書いてある。

興味ある人はぜひどうぞ。